好きなものを好きと言ってみる
先日、推しの生誕祭が終わりました。
長年(と言っていいと思う)推してきた推しの生誕で、今まで以上に思うことがあったのでブログに残しておくことにしました。
私はオタクです。いわゆるアイドルとかアーティストとかが好きなオタクで、大手(ハロプロ)から地下アイドルまで推してきたし、いまだに各推しに会いに行きます(お願いだから日程被らないで)。
今回生誕祭があったのは、おそらく私のオタク人生で一番長く推してきている地下アイドルの「まじばんch(まじばんちゃんねる)」。ニコニコ動画出身の4人組の女性地下アイドルです。
ニコニコ動画の踊ってみたカテゴリをずっと見てきた中で、その枠を超えて活動し始めた時から今に至るまでずっと現場に通っているアイドル。
踊ってみた出身だからこそのキレのあるダンスと飾らないキャラクターで、オタクをいつも楽しませてくれています(あとオタクが勝手に楽しんでいるのも大いにありますが、それを暖かく「フロアはオタクのものだから」と受け止めてくれる寛容さもあります)。
私の推しはその中でもブルー担当「のらくら」。私は「おらら」と呼んでいます。
元OL(正社員)で2018年5月までまじばんと掛け持ちしていたという元二足の草鞋アイドル。今はモデルやカフェ手伝いをしながらのアイドル活動です。
交互浴好きが高じてそれ関係のイベントに講師として出演したり(最近は銭湯界隈でも有名らしい。銭湯界隈なんてあるんやな…)、好きなバンドのCIVILIANのライブに行ったりと好きなことを発信する力もある。
話してみるとサバサバしすぎていて自分でも男に生まれたかったと何度も公言するほど。推しではありますが気取って話したり緊張したりということはなく、毎回のチェキ撮影でざっくばらんに話せています。
そんなおらら、1月6日生まれなので同じく1月生まれのメンバー・しーた(リーダー・赤色)との合同生誕祭が先日行われました。
まじばんの生誕祭では生誕メンバーにそれぞれソロの時間があります。好きな曲を歌ったり、メドレーにチャレンジしてみたり、懐かしの踊ってみたをしてみたり、使い方はそれぞれに完全に任されているので、オタクとしても毎回楽しみにしているコーナーです。
おららは歌唱に徹することが多いので、今年の生誕祭で歌う歌を予想しながら当日を待っていました。
話は全く変わり、さかのぼること2017年5月。
私は急にダンス&ボーカルグループ「超特急」にドはまりしました。
急に、というのは沼落ちスピードからして、ということですが、周りのオタクが徐々に超特急にはまり、あれもいいよこの曲もいいよと発信し続けていたので、じゃあちょっと聞いてみるかと思ったのがきっかけです。
なので多分百合の花に囲まれて死ぬ方式でじわじわと自分の体内には超特急が蓄積されていたので、実際にはそんなに急にではなかったんだと思います(ライブに行き始めてからの乗車回数は超特急で増えていきましたが)。
あまり自分のことは他人にたくさん話さない性分ですが、いかんせん推しであるおららと会う回数は多いので(地下アイドルはいつ何時もライブをしている)、おららといつも通り話すうちに超特急の話をすることもありました。
最近はまっててね、こういう曲があってね、これは聴きやすいと思う、CDあるから差し入れであげるね、聞いてみてね、そんなやりとりを1年ほどはしていました。
だんだんとおららも自分から超特急を検索してくれるようになり、あげていないCDの曲を聞いたよとか、この振り付け覚えたよとか、振り付けの仕事の時に参考にしたよとか、おららから超特急の話を聞くことも増えました。
11月に3rd album「GOLDEN EPOCH」がリリースされ、いつものようにおららに差し入れをしてぜひ聞いてねと言いました。おららはリード曲「need you」のMVも見てくれていて、好きな曲だと言ってくれました。
SSA公演がある話をすると行きたい、調整してみる、と言ってくれました(実際は体調不良で行けなくて泣くほど悔しかったと後日報告がありました。申し訳ないけど泣くほど好きになってくれたんだと少しうれしかった)。
リアルタイムで超特急を追いかけてくれるようになり、番組や曲の話も、ほかの8号車とするみたいに話すようになりました。
そんなおららが、生誕祭のソロコーナーでは4曲歌いました。
1曲はソロ曲である「レゾンデートル」。本人はアイドルに向いていないと言っており、はたから見ていてもいわゆる「アイドルらしいアイドル」ではないと思いますが(ここで言うアイドルは世間的に見てのことです)、その彼女の抱えるダークさを表現した歌です。歌詞の漆黒に近いような闇、それを切り裂くような歌声で叫ぶように放つこの曲はおららにしか歌えない曲だと思っています。人間臭い、「アイドル」らしくない曲です。
音源は上がっていませんが、本人が歌詞をつぶやいていたので載せておきます。
レゾンデートルの歌詞です pic.twitter.com/teB0Vrz9bT
— のらくら▷まじばんch (@nrakura) January 22, 2017
4曲目はeddaの「ループ」。
勉強不足で知らなかったのですが、透明な歌声と少しの悲しさがおららに合っていて、でもレゾンデートルとは違って少しだけ前を向いていて、今までのおららとは少し気持ちが変わったのかなと思いました。「…なんて」と歌うおららの笑顔の明るさが忘れられません。
1曲目のレゾンデートルの後に、おららは手紙を読みました。おららの生誕祭では初めてのことでした。
今日読んだ手紙です pic.twitter.com/Ve2wuZRe3z
— のらくら▷まじばんch (@nrakura) January 14, 2019
「私たちがいなくても世界は回るし、みんなそれなりにハッピーな日々を送っているかもしれない。それでもまじばんには、みんなが必要だし、みんなのいるここが、まじばんの居場所です」
そう言って歌いだした2曲目は、超特急の「a kind of love」でした。
この曲は、歌うと予告されていました。それでも、単純に「好きだから」ではなくて、「好きで、歌詞をかみしめて、自分たちのことに照らし合わせて、それでいて伝えたいから」とこの曲を選んでくれたことに胸がいっぱいでした。
この曲は超特急が6人体制になってから初めての楽曲。8号車としても不安や戸惑いが大きくて、そんな中でも必要としていると言ってくれて、前を向いてくれて、居場所だと言ってくれた超特急にどれだけ安心したことか。そのことを思い出して、その曲を推しが大事な生誕祭で歌ってくれたことを本当に嬉しく思いました。
そして3曲目は、同じく超特急(ウルトラ超特急)で「Starlight」。
まじばんはニコニコ動画出身のアイドルです。踊り手時代とは違ってしまったから、現場の雰囲気が変わってしまったから、そういって離れてしまう人たちを何人も見送ってきました。
それでも、「変わらないものはここに」あるし、結成した時に感じた光はいつまでも彼女たちの背中を押しているし、思い出す大切なものは今でもあるんだろうと感じさせてくれました。
この曲は、超特急が6人体制になって初めてのツアー「Sweetest Battle Field」にて全公演で披露した楽曲。東京と神戸でセトリが変わってもこの曲が変わらなかったのは、6人体制になってもなお変わらないものがあるとの彼らのメッセージなのでは、と感じ取った8号車もいたようで、私もそれに共感しました。
超特急にとって大事な曲が、推しにとっても大事な曲になったこと、嬉しく思っています。
おららは好きなものを好きと大きな声で言う人です。そして仕事にも繋げるし、何より好きなことを話しているおららは本当に楽しそうです。今やそんなおららと好きな「超特急」を共有できることが嬉しくてたまりません。
私の超特急の推しはカイくんです。カイくんもまた、好きなものを好きと大きな声で言い、仕事に繋げる人です。ポケモンやK-POP、ラジオなどその「好き」の幅も広ければ「好き」を仕事に繋げる力も非常に強い人です。好きな仕事をしているカイくんは本当に楽しそうに笑うし、私もそんなカイくんの笑顔が大好きです。
私は「好き」を共有するのが怖いと思ってしまうタイプです。「好き」を否定されたらどうしよう、好きであることが世間的にマイナスだったらどうしよう、裏で何か言われていたらどうしよう。いろいろと考えてしまいます。心配性であり、臆病です。
実際、オタク以外にアイドルオタクだと言えたことは少ないし、好きなものについて話して見たらその場で否定的な態度をとられたことだってあるし、そういったマイナスの経験が少しずつ積み重なって消えなくて、声を上げることができなくなっていました。
ただ、今回の生誕祭で思ったことは、もしかしたら「好き」と言うことはプラスに働くのかもしれないということです。
おららは8号車になってから超特急のことをTwitterでもよく話すようになりました。生誕のBGMは、おららチョイスの曲はすべて超特急でした。
おららの影響で超特急を聞くようになったまじばんオタクがいました(ガリゲーchまで見てくれてありがとう)。
生誕祭でやった曲を「良い曲だった」と感想をくれたオタクがいました。
人が「好き」と言うことは、少なからずポジティブな輪を広げることになるんだなと実感できました。
私にはまだまだ怖いけれど、好きなものはとことん好きだし、追いかけるためには労力はいとわないし(超特急の初現場はTrans Nippon Express三重公演でした)、好きな人たちには幸せになってもらいたい。その想いはほかのオタクと同じようにあると思っています。
だから、推し達がそうしているように、私も少しだけ声のボリュームを上げて「好き」と言っていいのかもしれない。もしかしたら、それで「好き」の輪が広がるのかもしれない。誰かの人生が少し明るくなるのかもしれない。誰かに陰口をたたかれることがあっても、それをかき消すボリュームで「好き」と叫べばいいじゃないか。
それを教えてくれたのは、やっぱり好きな人たちでした。
おらら、大事な生誕祭で超特急を歌ってくれて、たくさんの人に届けてくれてありがとう。これからも「好き」を発信していってください。
超特急、走り続けてくれていてありがとう。あなたたちのおかげで世界が広がったし、少しだけ声を出してみる勇気をもらいました。
好きなものを好きと言ってみる、そんな力をもらったことを覚えておきたくて、ブログに書き記しておきます。