消えていく好きな人たちと狂えない私

ずっとずっと推してきたアイドルのMAJIBANCHが、2020年2月14日をもって無期限の活動休止となりました。

 

加入当初から推しだった、アンジュルム室田瑞希ちゃんが、3月の公演での卒業を発表しました。

 

結成時から好きで推しだった、Juice=Juiceの宮本佳林ちゃんが、6月の公演での卒業を発表しました。

 

ずっとずっと好きでライブにたくさん行っていた超特急、休養中だったユースケくんが脱退を発表しました。

 

 

どうしてこんなに好きな人が目の前からいなくなってしまうんだろう。私がどうやって消えたらこんなつらい思いはしなくて済むのだろう。なぜ何度も何度も同じような境遇で胸を締め付けられなくてはならないのだろう。ずっとずっと考えています。

 

自分の好きな人たちが目の前からいなくなっていくのに、私はそれにとらわれずに私の人生を生きなくてはならない。

もっとあなたたちに狂えたらどれだけ楽だろうか。脱退のお知らせを、卒業のお知らせを、活動休止を、情報を知った直後に笑顔で仕事に戻れる自分に嫌気がさす。

情報を知って号泣して仕事が手につかなくなって早退してしばらく休んで寝込んで、ってなるまでに、あなたたちに狂って自分の人生をめちゃくちゃにしたい。でもそれができない「いい子」の自分が本当に嫌です。「人として」「正しい」のは今の私の生き方なのかもしれないけれど、好きになった人たちにめちゃめちゃに狂わされたい。狂えたらこんな渦巻いた感情をずっとずっと抱えながら仮面の笑顔で自分の人生を生きることもないのだろうに。

 

活動休止のラストライブも、実感がなくて、狂えなくて、いつも通り楽しんで、一滴も涙が出なかった。「いつも通り」というのはよいことなのかもしれないけど、それでも私はめちゃくちゃに狂って涙を枯れさせて人生に推しがいた証をそうやって刻みたい。

良いライブでした。アンコールがないのも、最近の曲を中心にやったのも、MAJIBANCHとしての衣装2着でやりきったのも、最後のみんなの顔も、全部良かった。楽しかった。でも私はそんな批評家みたいな言葉を残したいんじゃなくて。

 

ハロプロの二人の卒業も、ユースケくんの脱退も、お知らせを淡々と読んで一滴も涙が出ない。感情が死にすぎている。薄情なのか、麻痺しきっているのか、あふれるほどの感情を持ち合わせていないのか、もうわかりません。

 

多分私が狂うには大変に時間がかかるんだと思います。咀嚼が遅くて、浸透もぜんぜんしなくて、自分の人生をとても大事にしていて、全然人の人生の大きな変化を自分に落とし込む準備ができていない。悔しい。感情を外に出すには私の殻は厚すぎます。爆発できないからこそ、彼らの、彼女らの生き様が、私の中にずっと残って、呪いのように縛り付けます。

 

ハロプロ二人の彼女らの進む道が望んだ道であることも、MAJIBANCHが活動休止を全員で話し合って決めたことも、ユースケくんが超特急という枠から離れてゆっくり休養したほうが良いことも。理解はできるのに納得できない、でもその納得のできなさを感情に乗せて外に出してぶつけることもできない、ただただ何かおもりを抱えたままベルトコンベアーに乗って日々を進んでいくよう。

 

脱退のお知らせを知った後に、感情がずっと渦巻いて、座っているのになんだかめまいがしているような状態が続いています。それを爆発させるだけのエネルギーが私には足りない。

 

狂えねぇなぁと思いながら、明日も私は職場に向かうのでしょう。自分の人生を生きるのでしょう。狂えないことに気づかせてくれた推したちに呪われながら生きていく。

 

あなたたちが消える前から、私は狂っていたかった。